―独立開業をお考えになったきっかけを教えてください。
独立開業以前は、4年間、福岡県の薬局に勤務していました。一スタッフとして勤務するうちに、薬局経営に興味を持ち始め、いつか独立開業したいと考えはじめたことがきっかけです。
それから、開業にかかる資金や1日の外来患者数などボーダーラインやイメ―ジを持って、条件をクリアしている薬局があれば個人承継という形で独立開業したいと考えていました。
―新規開業ではなく、個人承継という形で独立開業を目指した理由を教えてください。
承継により事業を譲受するメリットの一つに、元オーナーがこれまで築いてこられた処方元の先生との関係性や地域の患者様のことをよく理解しているスタッフまで引き継ぐことができることがあげられます。今、薬局に求められる機能の一つとして、在宅に力を入れている薬局が増えてきていますが、在宅を実現するためには、やはり処方元の先生や地域の患者様との関係性は非常に大切ですよね。
この健和薬局(山口県下関市)を私が譲受するまでの約20年間、元オーナーが処方元の先生と築いてこられた関係性も、便宜を図っていただきスムーズに引き継ぐことができています。また、以前から勤務されていたスタッフで現在も勤務してくださっているスタッフもいるので、地域の患者様のことはもちろん以前からよく理解して業務してくださっています。以前から顔馴染みのスタッフがいるとこれまでここに通っていた患者様も安心ですよね。
このように、これまで元オーナーや当時から勤務しているスタッフが築いてこられた関係各所との関係性まで引き継ぐことができること、さらにはこれまでここに通っていた患者様についても継続して通っていただきやすいこと、それが個人承継という形で独立開業を目指した理由です。
―福岡県の薬局で勤務されていたご経歴から一転、一店舗目を山口県下関市で開業された理由は何ですか?
下関市周辺は、訪問診療をされている先生も在宅の患者様をかかえている薬局も少ない在宅未開拓エリアなので、在宅のニーズを見つけやすいと考えたからです。私は、兼ねてから在宅に力を入れていきたいと考えていました。
また、私の出身地が下関市であることも下関市で開業を決意したきっかけの一つです。当時、アドバイザーの藤さんに開業意向を伝えて約2ヵ月後、下関市で事業承継のご相談があるとお声がけいただき話を聞いてみたところ、私が想定していた条件をクリアしていたので、この2点が相まって下関市で開業を決意しました。